建設工事における原価管理での「労務費単価」の考え方は、人件費を正確に把握し、工事ごとの利益を見える化するための重要な要素です。以下のように整理して解説します。
■ 労務費単価とは
労務費単価とは、「1人・1時間あたり、または1人工あたりの人件費」を示す数値です。
■ 単価の基本的な構成
労務費単価には、以下のような項目が含まれます:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 直接賃金 | 作業員に直接支払う給与(時給・日給・月給を工事作業時間で按分) |
| 間接賃金 | 職長、管理職、間接部門の賃金(配賦する場合) |
| 法定福利費 | 社会保険料、労災、雇用保険などの会社負担分(労務費に対して○%など) |
| 法定外福利費 | 通勤費、制服、安全靴、健康診断費など |
| 賞与・退職金引当金 | 月額給与に按分して加える場合あり |
| 外注労務 | 単価に含めるケースと、外注費として分けるケースあり |
■ 単価の算出方法(例)
仮に月給制の社員で試算する場合:
月給(30万円)+社会保険料会社負担(5万円)+福利厚生費(1万円)=36万円
年間勤務日数:240日(約20日×12ヶ月)
労務費単価(日額)=360,000円 ÷ 20日 ≒ 18,000円
労務費単価(時間)=18,000円 ÷ 8時間 ≒ 2,250円/時間
■ 現場での管理への活用
- 予算組み:見積段階で使用する単価(標準単価)と、実行予算での単価(実行単価)を分けて管理する
- 出来高管理:進捗に対する実績人件費と見積人件費を比較
- 人件費の見える化:どの作業にどれだけの人員コストがかかったか分析できる
■ 実務上のポイント
- 単価は会社ごと・職種ごとに異なる
- 標準単価と実行単価(実際の支払額)を使い分ける
- 外注先を含めるか否かは、管理方針による
- 労務費単価は、更新が必要(年度ごとの人件費改定など)

